大腸疾患
Colon
大腸がんとは

大腸疾患

大腸がんとは

がんの発生

人間の体は細胞からできています。がんは、普通の細胞から発生した異常な細胞の塊です。
正常な細胞は、体や周囲の状態に応じて、増えたり、増えることをやめたりします。例えば皮膚の細胞は、けがをすれば増殖して傷口をふさぎますが、傷が治れば増殖を停止します。
一方、がん細胞は、体からの命令を無視して増え続けます。勝手に増えるので、周囲の大切な組織が壊れたり、本来がんの塊があるはずがない組織で増殖したりします。正常な細胞ではこのようなことはありません。

大腸がんの発生

大腸がんは大腸の内腔から発生した悪性腫瘍の総称で、そのほとんどは大腸粘膜の腺細胞から発生し、腺がんと呼ばれています。がんは発がん遺伝子の出現と、これを抑制する遺伝子のバランスの乱れによって発生するとされ、大腸がんの発生、進展にはさまざまな遺伝子異常が関わっていると考えられています。

大腸がんの疫学

大腸がん(結腸・直腸・肛門がん)の罹患(りかん;病気にかかること)率は全がんの中で1位(男性では1位、女性では2位)であり、50歳代付近から増加し始め、高齢になるほど高くなります。

・がん罹患者数予測(2019年)

男女計
部位 罹患数
全がん 1,017,200
大腸 155,400
124,100
122,300
乳房(女性) 92,200
前立腺 78,500
男性
部位 罹患数
全がん 572,600
大腸 89,100
84,200
82,700
前立腺 78,500
肝臓 24,500
女性
部位 罹患数
全がん 444,600
乳房 92,200
大腸 66,300
39,900
39,600
子宮 26,800

年齢階級別罹患率

発生部位と頻度は、直腸534例(37.9%)、S状結腸483例(34.3%)、上行結腸146例(10.4%)、横行結腸99例(7.0%)、盲腸83例(5.9%)、次いで下行結腸64例(4.5%)となっており、直腸S状結腸に圧倒的に多く発生します。

大腸がんの要因

大腸がんの発生には遺伝的要因によるものと、食生活などによる環境因子によるものが関係していると考えられています。直系の親族に同じ病気の人がいるという家族歴は、大腸がんの危険要因になります。特に、家族性大腸腺腫症と遺伝性非ポリポーシス性大腸がんという疾患の人がいる家系は、確立した大腸がんの危険要因とされています。
また、もう一つの原因である環境因子については、生活習慣や食生活の欧米化が考えられています。過体重と肥満で結腸がん発生の可能性が高くなることが確実とされています。また、飲酒や加工肉も、大腸がんの危険要因とされています。

大腸がんの予防

大腸がんの予防には、大腸がんの発生を予防する一次予防と、早期発見・早期治療によって大腸がんによる死亡を防止する二次予防とがあります。一次予防は、偏食をなくし動物性の高脂肪食に頼らず、野菜を多く摂取することでがんの予防につながることがわかってきています。さらに運動は結腸がん予防効果が確実とされています。また果物も、大腸がん予防の可能性があるとされています。そのほか、葉酸、カルシウム、ビタミンD、食物繊維摂取などが予防の効果として挙げられています。また、非ステロイド消炎鎮痛剤(NSAIDs、アスピリンを含む)とホルモン補充療法が、大腸がんの危険性を減少させるともいわれています。二次予防としては、便潜血反応検査を中心とした検診があげられます。検診を行うことにより、大腸がんの前がん病変といわれる腺腫や早期大腸がんの状態で発見、治療に努めることが大切です。

大腸がんの症状

大腸がんの症状は、早期の場合と進行した場合では異なってきます。早期がんの場合には、がんに関連した症状はほとんどみられず、大腸がん検診で発見される例が大部分を占めます。がんに関連した症状がみられるのは進行がんの場合がほとんどです。
右側結腸のがんの場合、腸内容がまだ液状であるために通過障害をきたしにくく、一般にがんが進行してから症状が出現してきます。腹痛などの腹部症状が多くみられますが、自分で硬いしこりとして気づくこともあります。血便を自覚することは少なく、貧血症状が現れてはじめて気がつくこともあります。
左側結腸、直腸のがんでは、腸内容物が固形となっており、また病変部が肛門に近いために、がんからの出血が血便、粘血便として認識されやすくなります。とくに直腸がんでは便の通り道が狭くなることによって便柱が細くなったり、硬い便塊が表面のがんとこすれあって容易に出血をきたします。血便、出血は直腸がんの重要な症状ですが、痔のある方はこれらの症状を見過ごすことも少なくないので注意が必要です。
また、ときには嘔吐などのがんによる腸閉塞症状で発見されたり、肺や肝臓の腫瘤(しゅりゅう)として大腸がんの転移が先に発見されることもあります。このような症状で発見されるがんは、進行したものです。

大腸がんの症状

わが国では「大腸癌取り扱い規約」に基づいたステージ分類が進行度の評価に用いられています。がんの壁深達度、リンパ節転移、腹膜転移、肝転移、他臓器転移によってステージ0からステージIVに分類され、数が増すに従ってがんが進行していることになります。

ステージ 0
がんが粘膜の中にとどまるもの(早期がん)
ステージ I
がんが大腸の壁(固有筋層)にとどまるもの
ステージ II
がんが大腸の壁(固有筋層)を超えて浸潤しているもの
ステージ III
リンパ節転移があるもの
ステージ IV
血行性転移(肝臓・肺)、または腹膜播種があるもの

表3 大腸癌の進行度分類(Stage)

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